ジュディ・オングの飲茶のあとで 
朝日新聞土曜版 ウィークエンド経済 2002年1月19日掲載(第3回)

食べて元気 鳥の目なる
食べて元気 鳥の目なる

 の話をしましょう。
 食べ物には本来の質があります。例えば、風邪でのどが痛い時には揚げ物は控えたほうがいい。一度熱した油は体の熱を引き上げ、のどに悪いからです。逆に、キュウリやナスなどの夏野菜には、熱を取り去る力がある。あと、ビワは気管支にいいとか、漢方の医食同源に通じる経験則がいっぱいあります。
 おととしの11月、中森明菜さんから冬の体調管理について聞かれました。「月1回食べてね」と彼女に紹介したのは、冷え性に効く料理です。ショウガをゴマ油でいため、お酒と骨付きの鶏肉を入れたスープにする。どれも体を温める食材なのです。
 中国語で「上医治未病」(名医は将来の病気を直す)と表現しますが、若いころからの養生が大切。ゼラチン質は体にいいから、中国では誕生日に豚足を食べます。長生きの工夫が日常生活に組み込まれているわけね。
 それと「縦に食べる」。ひと口ごとにはしを置き、よくかみ、食べ物が食道を下がるのを待ちます。大口開けて「横に食べる」のはいけません。
 体が元気なら、あとは心の健康です。つらい時には、鳥になって上から自分を眺めて下さい。周りに楽しいことがたくさん見えるはずです。無限大の白紙の上の、小さな黒い点だけ見つめて不幸だと沈んでいませんか。食生活の土台さえあれば、いつでも鳥の目になることができますよ。

1月12日掲載・第2回 1月5日掲載・第1回

※朝日新聞夕刊2002年1月19日付ウイークエンド経済より
※この記事は朝日新聞社の許諾を得て転載したものです。筆者のジュディ・オングと朝日新聞社の著作権を侵害する一切の行為を禁止します。