ジュディ・オングの飲茶のあとで 
朝日新聞土曜版 ウィークエンド経済 2002年1月12日掲載(第2回)

伝えることが ありますか
伝えることがありますか

 外国人と交流するのに必要なものは、笑顔と言葉です。
 私、翁倩玉(オン・チェンユイ)は2歳で台北から東京に移り、家では台湾語、友達とは日本語の幼児期でした。
 英語は10歳から、日系アメリカ人の家庭に通って勉強しました。最初はコチコチでしたが、先生の「I SHOW YOU(教えてあげる)」を「おしょうゆ」と聞き間違えて打ち解けたのです。長く付き合うことになるジュディの名も、そこで、サリーやドロシーの中から自分で選びました。
 日本の学生は6年、8年と英語を学んでも話せない、といいます。日本での外国語はコミュニケーションの手段ではなく受験科目なんですね。私のスペイン語の先生は「やっと2人きりになれたね」というフレーズまで真っ赤になって教えてくれました。逆に「THIS IS A PEN」は会話に必要ありません。見ればわかることですから。
 言葉は道具。大事なのは、それで何を伝えるかです。
 12歳のころ、子供向けテレビドラマに主演する話が来ました。日本風の芸名に変えるのが条件でした。役者がガイジンでは視聴者が興ざめ、ということでしょう。このお話は別の人に行きました。
 国際人とは、名前が代表する自分に誇りを持ち、母国の事情や歴史に通じ、それをベースに外国人とお話しできる人だと思います。伝えるべき何かを持っていることが大切ですね。

1月5日掲載・第1回

※朝日新聞夕刊2002年1月12日付ウイークエンド経済より
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