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昨年は栄えある『日展特選』を受賞し、とても充実した年でした。 夢にまで見た特選を受賞した後の版画制作は、本当にどうしたことか筆がぴたっと止まり、いっこうに進まないのです。硬直状態が続くこと2ヶ月・・・ 特選受賞の後の重圧感でしょうか。苦しかったです。 ある日行き詰まったあげく、空に向かって「白日会の作品の描かせてください!」と叫んでみたら、ふと声が聞こえたような気がしました。「あなたはなぜ版画をはじめたの?」と。 そうか。私は、いつも自分の壁に飾りたい絵を描いて来たのだ。それに気が付いてから、がむしゃらに引き出しの中の集めた資料をすべて取り出しました。かつて「これは描きたい」と取材をした物を部屋いっぱいに並べてみたら、見えてきたんです、糸口が・・・ 今年の白日会の作品は、やはり名古屋、中村の料亭「稲本」です。ここの大広間には、先先代のご主人が、中国に行って買い付けてきた豪華な中国の寝台があります。(台湾の祖母も使っていました)二畳ぐらいの広さの寝台は螺鈿や象牙を使った装飾が散りばめられ、それは見事なローズウッドの木彫りです。先先代のご主人は、なんとそのベッドを大広間の「床の間」に見立てたのです。モダンですね。そして、ギヤマンガラスを使った窓と大正時代の柄入り磨りガラス。この光景が私の目に止まらない訳がありません。外は朱夏。この場所で、汗をかきかき取材したのを思い出しました。 私にとってノスタルジックな光景も、国を越えるとエキゾチズムになるのですね。よく西洋人が、日本の大きめな火鉢の上にガラスをおいてテーブルにしていますが、そんな感覚を覚えました。文化の融合は嬉しいモノです。 作品名は『明窓夏彩』 白日会の開催は3月26日から4月4日まで。上野東京都美術館で開催しています。 Mar 11th 2006 ジュディ |
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「版画はどうしてはじめたの?」とよく聞かれます。私は昔から絵を描くのがとても好きでした。 クレヨンを持っていれば黙っていたぐらいです。 そんな私が版画に出逢ったのは今から25年前です。 当時は油絵を描いていました。 自分の好きな色を思いのままにキャンバスにのせて行く。 自分の自由世界です。 でも、私の恩師井上勝江先生の個展に友達と行ったとき、 衝撃を受けました。 それは黒バックに白のポピーと白バックに黒のポピーの一対の版画でした。 私は白黒の世界に真っ赤なポピーの色を感じたのです。 そしてその強い線は一刀のもとに描き出す、版画の醍醐味でしょう。 “版画をやりたい!”そんな想いが心を横切りました。 思い立ったが吉日。 “先生、私版画を習いたいです。”と口をついて出た言葉に 井上先生はニコニコしながら、 “あら、ジュディ・オングさん?” “はい!” 私は期待でかなり上気していました。でも、先生は、 “そうね・・・・・無理じゃない? 忙しいでしょう女優さんは。”とあっさり。 さああ!!!こうなると私のやりたい病が始まります。 塞き止められたダムを開くように習いたい欲望が止めどもなく流れだし、 家に帰るなり版画の材料になる“板探し”。 上手い具合に兄がステレオ・ケースを作った残りのベニヤが有ったので、 むしゃぶりつくようにそこに椿の絵を描き、兄の彫刻刀を借りて彫り始めました。 とにかく見よう見まねです。テクニックも何もありません。ただ、“やりたい”の一心だけでした。 そしてなんと自分でもびっくりしますが、数日で彫り上げました。 馬楝をまだ持っていなかったのでスリッパで刷り、会期中に先生の所へ持っていきました。 “まああ”と作品よりも板を見る先生とその御友人達。その中のお一人が日展の長沼先生。 彫刻家の長沼先生は、 “なあ、勝江ちゃん、この子彫り方かなり頑固だよ。これなら続くんじゃない?”と助言。 “そうね・・・・・・。じゃ、来週からいらっしゃい。” そうして、私は版画を始めることになりました。 後日談ですが、板というのは正目に沿って彫れば楽なのに、 彫り方を知らない私はただひたすら絵を中心に放射線に彫っていたんですね。 どうやらその熱心さが先生方の心に届いたようです。今でもあのときの版木は持っています。 私のお守りです。 |
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| 木版画展情報 | |
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●チューリップ四季彩館
冨山県砺波市中村100-1 日時:8月2日(土)〜8月31日(日) 入場料:一般700円 小中学生350円 サイン会:8月2日(土)11:00〜,14:00〜 (画集・著書・CD御買い上げの方、各回先着100名) 問い合わせ先 0763−33−7716 |
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| ジュディの木版画作品「鳳凰迎祥」が宇治平等院に奉納されました! | |||||
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